『それはまるで太陽のように』
人を、好きになるって言うのは、どういうことなんだろう?
なんとなく、思って。
「ねぇ、ムゲン。人を好きになったことある?」
そう、聞いてみた。
ムゲンはものすごく不機嫌な顔で振り返る。
でもこの顔はいつものこと。
ムゲンが上機嫌な時はろくなことがないから、そのほうがいい。
「ねぇよ」
「うそっ!」
いかにもどうでもよさそうに言われて、思わず叫んでしまった。
だって、女好きのムゲンが人を好きになったことがないなんて、信じられないでしょ?
ジンも意外だと言うように、ムゲンを見ている。
「あぁ!?ねぇといけねぇのかよ!」
「べっつに〜。ねぇジン!ジンは!?」
「人並みにはあると思うが?」
「ほらほら!そうだよね!」
やけに嬉しそうにはしゃぐフウに、ムゲンとジンが眉間にわずかに皺を寄せて、顔を合わせる。
「(何だアイツ?)」
「(私が知るか)」
「ちょっとちょっと!何よ、もう!何2人で通じ合ってんのよ〜!!」
「気持ち悪いこと言うんじゃねぇ!!!!」
「…同感だ」
「だったらちゃんと私の話聞きなさいよっっ!」
「あー!!うっせぇ!!うっせぇ!!」
「ああ。そういえばムゲン、この前拾った女はどうした」
その、ジンのいつもどおりの平坦な言葉に、ムゲンがピクリと肩を震わせた。
何やら触れられたくはないところに触れてしまったらしい。
「…振られたか」
「振られたんだ〜ムゲン」
「うっせぇ!知るか!!」
「あ〜ムゲンがすねた」
「ふっ」
「ああ!?てめぇ!鼻で笑ってんじゃねぇぞ!!!大体てめぇはよ!とっかえひっかえ遊んでるけどよ!
一回も長続きしてねぇじゃねぇか!!!」
「…そんなことはない」
「んじゃよ。なんで目ぇ逸らしてんだよ。ああ!?」
そうやって、いつものように視線を逸らすジンと、それを追いかけるムゲン。
「そっか〜。ジンも振られたんだ〜」
心持ち、暗くなった男2人に、フウは笑った。
「でも、ま」
一つ息をついて、2人の首に飛びついた。
「ああ?」
「なんだ」
不機嫌そうな顔と、やっぱり不機嫌そうな顔に、笑う。
「あんた達には私がいるから、振られたっていいじゃない?♪」
その顔はまるで太陽のように。
こちらまで、暖かくなった。
ムフウにしようとして、失敗。
駄目だ、この3人好きすぎてCPにならない…。
会話だらけなのは、3人が3人とも勝手に動いたから。
でも別人だーuu
あーいい感じのムフウ小説が書きたいー!
素敵なムフウ小説が読みたいー!