自主的に焼かれるローストをめぐる戦い





「じゃぁ、外で見張っているからな」

 そういって台所の扉を閉めたおれの目に映ったのは、勢ぞろいした船員たちだった。

「そこをどけ!ハールーン!!」
「覗きは男のロマンだろう!?」
「たとえ魔神族でもあんなにかわいい女の子じゃないか」
「本当はお前も覗いてみたいとか思ってるんだろう?うりうり!」

 さすがに船員全員がそこにいるわけではないが、好奇心旺盛な若い船員はほとんどここにいるようだった。

「ってかお前らそんなに女に飢えてるのかよ」

 ま、自分で言い出したとはいえジャニがどんな風に”風呂”に入っているのかにはちょっと興味はないではない。
 外を見張るとジャニと約束したし、覗こうとかそんな気はまったくないが。

「ハールーン、そこをどけ!!」

 との大合唱に、おれはきっぱり言ってやった。

「断る」

 そして船員とおれとの戦いが始まった。







 鼻歌が聞こえる。
 どうやらジャニの風呂は無事、終わったようだ。

 おれは手に持っていた船員を慌てて近くの船室に投げ込んだ。

 同じように廊下に死屍累々と転がる船員たちも投げ込んでいく。
 最後の船員を投げ込んで扉を閉めたとき、台所の扉が開きジャニが顔を覗かせた。

「なおったか?」

 そう尋ねるおれの笑顔はひきつっていなかったと願いたい。

「なおった!」

 対するジャニは喜色満面、少しの曇りもない笑顔だった。
 ……人の苦労も知らないで。
 ま、隠したのはおれなんだけれど。




 この苦労は感謝のキスでももらわないとやってられない、とハールーンは思ったとか思わなかったとか。
2006年9月4日

久しぶりのこれ王2次。
自分で書いててばかだなぁと思いました(笑)いろんな意味で。
でも、原作でこんな事態がおこってたら面白いww

浅羽翠