※注意!
「キサラ」は浅羽のパソコンでは漢字が出ないのでカタカナで表示しています。
あしからずご了承くださいませ。







 草木が芽吹き、風があたたかくなって。
 散葉たちの住む街に、春がやってきた。




 花見




「もうすっかり春やねぇ」

 日陰はまだ少し肌寒いけれど、日差しの中はあったかい。
 散葉とキサラは討伐隊の建物に程近いベンチで一緒にお昼ご飯を食べていた。
 ぽかぽかの陽射しの中での、2人ののんびりとしたひととき。

「もぅつくしんぼ出たかなぁ」

 散葉がうれしそうにキサラに言った。
 散葉はいつも嬉しそうだ、そう思いながらキサラは頷く。

「そろそろ桜も咲いているかも知れないね」

 キサラの言葉に散葉はパッと顔をかがやかせた。

「お花見!行きたい!!」

「行こう。約束したものな」

 散葉の笑顔にうれしくなってキサラも微笑む。
 この笑顔に誰よりも多く接していたい。この笑顔のためなら何だってしよう。

「隊長さんたちもさそってみんなで行こうね!きっと楽しいやろうなぁ〜」

「……………………………」

 半ば予想していたことだけれど。
 みんなで行こう、と言うところが彼女らしいけれど。
 2人きりでお花見、をほのかに期待していたキサラは散葉に気付かれないようにひっそりとため息をついた。
2005年4月16日

突発的に思いついたショートショートです(笑)
むしろ短すぎ、という意見もありますが、桜が散る前にUpしようと頑張ってみました。
初めてDearの2次を書きましたよ。キサラ視点で。
にしても、キサラファンに殺されそうですね。かわいそう過ぎます…
まぁこれも惚れた弱み、ということで(笑)

浅羽翠