2009年3月
チョコをくれた仲間と知り合いにひたすら焼いたパンをお礼として返して、最後にここにくる。
何の意図もなくても、最後は結局ここに来てしまう。
女々しいだろうか。
女々しいだろう。きっとそんな自分を彼女は笑う。
朗らかに笑って、仕方ないわね、と許してくれる。
「ステラ」
答えが返ることはないけど、墓石の回りの落ち葉を拾って、パンを置いた。
一生かけても返しきれないような恩が彼女にある。
それを返すことすら出来なかったから、必死で彼女の言葉を守って、彼女に報いようとした。けれど、きっと彼女なら、もういいのだと笑うだろう。
それを知っていて、受け入れられなかった自分の弱さに、少し笑う。
「愛しているよ」
きっと変わる事のない想いを胸に、セネルはステラの墓を後にした。
...モドル?