今日のお客様 : はたけカカシト&テマリ 様
金色、って言うよりは明るい茶色の美人さん。
きりっとした目はとっても凛々しい緑色で、4つにまとめた髪がとっても特徴的。
緑色と4つにわかれた髪でなんとなーく、四葉のクローバーを思い出しちゃいました。
そんな四葉さん。彼女が訪れたのはもう随分と前の気がします。
店内を一巡して、お弁当とかジュースとかデザートのある場所で止まったのです。
そのまま時間が停止。
と、その後ろに銀髪さん。
銀髪さんは常連なのです〜。
銀色の髪に甘いマスクが素敵で人気の美男子でございます。
とろーんとした半目が半端でない色気をかもし出しているとかなんとか…。
眠いだけだと思うんですけどね、それって。
でも色男の割にはすっごくすっごくオープンスケベさんなんですよ!
もうエロ本コーナーにいっつもいますし、ふっつーーーうにエロ本会計に持ってくるんですよ!
しかもものすごいエロエロなドロドロな、表紙見ただけできゃーーーーーっって感じのを!!
全然悪びれないし恥ずかしがらないので、なんだかこっちがいたたまれなくなってしまうんですよね…。ううう。
そんなこんなで、個人的にはとっても嫌なお客様だったりします。
目の保養にはなるんですけどねー。
それで、まぁ、銀髪さんは今日も店内一巡してエロ本コーナーで立ち読み、その後ご飯を買う、黄金パターンです!
あんまりにも常連さんなのですっかり覚えてしまいました…。
「何、あんたまだ決めてないわけ?」
素っ頓狂な声がしました。
銀髪さんです。
おおう。銀髪さん、おもいっきり呆れた顔をしてます。
四葉さんの後ろから、その手元を覗き込んで…銀髪さん身長高いんですよ。
四葉さんも女性にしては長身です。その身長は羨ましいですー。
四葉さん、銀髪さんの声に思いっきりむっとしてます。
しっかりはっきりむっとして、銀髪さんを見上げました。
…まぁ、四葉さんは銀髪さんよりずっとずっと早くのご来店ですから、気持ちは分からなくもないんですけどね(汗)
「こーいうのは、好きなもん買うのが一番でしょ」
銀髪さん、年の功だけあってか全然気にしてませんねぇ。
刺し殺すような目で睨んでも笑ってそうです。
いっそ刺し殺しても笑っていそうです。
「それが、沢山あるから迷ってるんだろ」
「別にコンビニの弁当なんて、全部似たようなもんでしょ」
「そうなのか?」
ちょっ。
そっ、それは一コンビニ店員として聞き逃せない台詞なんですがっっ。
ちょっと銀髪さん常連の癖して酷いですよ!!
……そりゃ、思いっきり否定は出来ないかもしれませんがっ、でもでもコンビニ弁当業界だって頑張ってるんです!
そばにうどんにパスタに丼に! ほら、選びたい放題じゃないですか!!
今度から割り箸つけませんよ!!
…っていうか、私思いっきり聞き入っちゃってますね(汗)
でもでも、そのコーナー私から丸見えだし気になっちゃうんですよっ。
「何、あんまり買いに来ないわけ?」
「……と、いうか、弁当を買いに来たのは初めてだな」
「そりゃまた…なんというか」
どんだけ世間知らずの人ですかっっ。
……って(汗)
つっ、つい銀髪さんの言葉に繋げちゃいました(汗)
世の中広いですねぇ。
「…何だ」
「いえいえ。それでお嬢様、何をお求めで?」
「………まぁ、いい。これだ。あと、これとこれとこれ、デザートがどれも美味しそうだ」
「また多いねぇ」
「うるさい」
あわ、とっても不機嫌そうな声です。
でもでもやっぱり銀髪さんは怯みません。
素晴らしいですね。
きっとネジが何本か抜けてるに違いありませんっ。
銀髪さん、無造作に四葉さんの持っていたカゴの中に品物を入れていきます。
遠慮のない動きです。素晴らしい。
とか思ってたら、ぽかんとしている四葉さんの手からカゴを取り上げちゃいました。
「あっ、こら何を」
「あとこれとこれ、と」
ぽんぽんぽんっっと景気よく品物放り込んで、こっち側を向きました。
はたと目が合いそうになったので、できる限りさり気なく視線を逸らしました。
見てません。見てませんよ?
聞き耳なんて立ててませんよ〜っ。
「会計お願いしまーす」
にっこり。
ううう。居心地の悪い笑顔です。
ああ、でも、最後に銀髪さんが放り込んだのって自分の弁当だったんですねぇ。
見覚えのある弁当です。それと、お茶が2本。
後は四葉さんの迷っていた品物が沢山。
ああこのプリンアラモード絶品なんですよねっ。
「お、おい、私はそんなに買うつもりじゃ」
「全部食べたいんでしょ? なら全部食べたらいいでしょ」
「食べきれるわけ」
「俺も手伝うって」
「はぁ!?」
「ま、しがない男の飯に付き合うくらい、いいでしょ?」
こっ、これは…っ!!!!!!!!!
なっ、ナンパです…っっ。世に言うナンパに違いありませんっっ。
目の前でナンパの現場を見ることになるなんてある意味とっても感動的ですっっ。
意味分からん、って顔の四葉さんに、銀髪さん苦笑。
お会計を終えた銀髪さんと四葉さんはそうして去っていきました。
…ごめんなさい四葉さん。私には何も出来ませんでしたっっ。
銀髪さんの毒牙にかからないことを願ってますっっ。
いえ、本当に。心から。アーメン(違う)