俺は、いわゆる普通の高校せーってヤツだ。
 変な夢なんて見たことねーし?占い師やらにお告げなんぞも受けたことねぇ。頭もそんなによくねーし悪くもねーし。思考だってバリバリ庶民の一般人。けんこーに悪いっつっても炭酸飲料とか飲んじまうし。甘いもんとか好きだし。漫画とかゲームもするし、友達とバカ騒ぎもするし。

 だから、そう。

 何が言いたいのかっっーつーと。
 俺はただの一般市民であって、特別な人間でも選ばれた戦士でもねぇってことよこんちくしょうめ。




Sinya&Siro
 夢を伝う






 …暑い。熱い。

 もうどれくらい歩き続けているのかも分からない。
 もう自分が何のために歩いているのかさえ分からない。
 じりじりと肌を焼く日差しに照らされて、真夜はただ機械的に足を動かす。



 いつのまにか、イヤホンからながれ続ける音楽も止まっていた。
 真夜はそれにも気づかず歩く。
 疲労の限界を迎えた足を引きずるようにして歩く。

 歩き続ける。

 …と、視界に何か黒っぽいものが映った。


「…ん?」


 かすむ目をこすり、真夜は黒っぽいものの正体を確かめようとした。
 そっちの方向に歩いていく。
 砂漠の黄色い砂に点々と、黒い塊が転がっている。
 近づくにつれ、その輪郭がはっきりしてきた。

「なんだ、岩かぁ…」

 がっくりと肩を落として真夜はぼやいた。誰か助けてくれる人とかだったらよかったのに、とかありえないことを考える。
 それでも今の真夜にはありがたい存在だ。
 黒い岩の陰に倒れこむようにして横たわる。
 直射日光にさらされていない砂漠の砂は冷たくて気持ちがよかった。

「あ゛〜〜」

 とりあえずここで休もう。
 彼がそう考えたかは定かではないが、疲労のピークに達していた体が眠りにつくのはそう時間がかからなかった。 





 …夢を見た気がする。

 なんだか白い虎が人間の言葉をしゃべっていたような。
 何か聞かれたような気がするのだが、なんと答えたのか覚えていない。





 頬になにかちくちくした感触を感じて真夜は目を開けた。
 目の前には無限に広がる黄色い砂漠。一瞬、自分がどこにいるのか分からなかった。

「ああ…俺、砂漠にいるんだっけ…」

 ここがどこだか思い出してもどうして砂漠なんてところにいるのか全く理解できないが。
 休む前よりはすっきりした頭を振って、彼は立ちあがった。

 そしてすぐにまた座った。
 風が強い。砂が横殴りに吹き付けてきた。

「いってぇ…」

 目の中に入り込んだ砂をなんとか涙で洗い流して、真夜は再び岩の陰にしゃがみこんだ。
 岩の陰ならいくらか風が弱い。
 真夜は丸くなるようにしてうずくまり、砂嵐に備えた。
2006年6月4日

また続いちゃいましたすみませんww
真夜、まだ砂漠で彷徨っています。

次こそは、たぶん、きっと…
彼が助かるといいな(笑)