『マジギレ禁止』




 ことの始まりはまぁ、あれだ。
 人が木の葉との合同任務で木の葉までやってきて、任務を済ませて帰ってきてみれば、何やらあいつは木の葉の女とぺちゃくちゃ楽しそうに話していて。
 その後宿で報告書書いて火影に提出しに行ったら何やらあいつは茶屋で幼馴染の山中いのと和菓子を食っていて。
 その後の約束で遅れてきて。
 その後人が貸した本をまだ返せないとかのたまって。
 で、だ。

 二人でよく来る森の広場で。

 人が楽しみに取っておいた最後の甘栗を食べやがったわけだ。




「て、てま、テマリさん?」
「…………」
「―――っっ、テマリっ」

 ひぃ、とシカマルが蒼ざめて一気に後ずさる。
 今の今までシカマルがいた場所に突き刺さるのは数百にも及ぶクナイの群れ。
 それだけじゃ終わらない。風が巻き上がる。
 巻き上がった瞬間には突き刺さっていたクナイが浮き上がり次々と目標を定める。向かう方向は同じ。全ては奈良シカマルの元へ。

「うわっ、ちょ、まっ、し、死ぬっ、っつーーかマジ切れ禁止!!!!!!!!!!」

 ぎゃーやらわーやらの叫び声は暴風にかき消されて。
 後にはクレーターが残るばかり。
2010年12月5日
まぁ、どんな人でも塵もつもればキレたくなるよねって話(笑)