『雨と泪』
雨が降る。
雨が降る。
雨が降る。
雨宿りをする、という事柄も思い浮かばなかった。
ただただ濡れて天を見上げる。
雨。
砂隠れではほとんど見ないもの。
木の葉でなければ見れない。
つと、泪が出た。
それ、は、雨と共に流れゆきて。
少し、驚いた。
雨が降る。
何故見続けるのか、何故濡れ続けるのか。
…何故泪を零すのか。
誰にも分からない。
冷たく冷たく身体が冷えて、それでも意地のようにその場に居続ければ、とうとう雷まで鳴り出す始末。
それでも動かなければ、歯がかちかちと鳴り出す。
寒い。冷たい。
と、当たり前の事を思いながら、泣き続けた。
「―――テマリ!!!!!」
その、声は、雨と雷の中にも関わらず、何故かよく響いた。
一瞬身を竦めた次の瞬間には、ヤツに腕を掴まれていた。
「お前っっ!!何してんだよ!」
テマリのその腕の冷たさに、ぎょっとしながらも、傘の中に彼女を連れ込む。
「シカ…マル…」
普通に言ったつもりだったが、身体は震えて、しっかりとした声にはならなかった。
テマリの顔を覗き込んで、シカマルは目を見開いた。
―――テマリの顔が、不安定に歪んでいたから。
「お前…泣いてんのか…?」
呆然と口を開いたシカマルに、テマリは何も言わなかった。
ただ。
シカマルを強く強く抱きしめた。
「―――!!!!!」
最近ようやくテマリの身長に追いついてきたので、その顔の位置は非常に近い。
ぼとりと、傘がシカマルの手から滑り落ちた。
強い雨が2人を濡らす。
抱き返していいものかどうなのか迷っているシカマルに、テマリが呟いた。
「お前を、待っていたのかもしれない」
この冷たい雨の中で、この自分に冷たい木の葉の里で。
何故か、何故かこの男を求める自分を知った。
呆然と、立ちすくむシカマルは、ようやく彼女の身体の震えに気付く。
それに気付いてしまえば、もう自分を押さえることなんて出来はしない。
強く強く抱き返して。
2人、そこに居た。
互いの温もりを確かめるように。
ずっと。
流した泪はいつの間にか消えて。
2人を濡らした雨は止んでいた。
2004年4月23日
やばい…意味分かんない…。
とりあえず、素直でなくてひねくれた2人が大好きですuu