〜エピローグ〜



 こっそりと、ガラスは振り返る。

 ざぁ―――と、風が木の葉を散らす。

 

「…今ならまだ間に合うぞ」

 ぽん、と頭の上に置かれた腕に、ガラスは首を振る。
 もう決めたから。
 後悔なんてしない。

「母さんの夢は私の夢」

 母が本当に望んでいた事。サソリと共にあること―――。

「………」
「…父さんの夢も、私の夢だから」
「……そうか」

 母親の髪によく似た漆黒の長い髪をくしゃりとなぜた。
 腕に巻きつけていた額宛てはもう、ない。
 ここにいるのは下忍でも暗部でも花魁でもない。
 サソリという父を持ち、宵花という母を持つ、羽紫細ガラスという名の1人の少女。
 鴉の濡れ羽色をした長い髪を持ち、人を射抜く強い赤の瞳を持つ、ただの子供。
 やがて少女は木の葉という里に背を向けて歩き出す。
 仲間を置いて、姉と慕ってくれた少年と少女を置いて。

 父と母…そして自分の夢をかなえるために。
ずぅっと放置したっきりのオリキャラモノでした。誰ともくっついたりはしないオリキャラ(笑)
ナルトとヒナタの橋渡しだったり、2人を鍛えたり、そんな感じのちょっと師匠キャラっぽく。
結構色々考えてたんですけどね…。中々書き出さずにお蔵入りしてました。自己満ですが、最後は気に入ってます(笑)