火の国木の葉隠れの里、火影の執務室で砂の少女は凛と立つ。

「木の葉に隠遁している可能性のある砂の抜け忍のリストです。これらの確認及び始末に木の葉による協力を要請したい」
「ああ。風影から話は聞いている。案内役はつけよう」
「案内役ですか」

 ほんの少し、眉を跳ね上げる少女。
 人の食ったようないつもの笑顔で里の最高権力者。

「兼協力者だ。まぁ予想は付くだろう」
「…それは上に隠れている集団の事で?」
「…バレていたか」
「まぁ…これだけの大人数ではさすがに」

 テマリが呆れたように言うと、綱手もごもっともだと言う風に苦笑する。
 あっさりとテマリに存在を看破された集団はぞろぞろと天井の上から姿を現す。

 総勢8名。

 これだけ大多数の人間が隠れていたのだ。

「てっまりーん!!!! 久しぶりーーー!!! 元気ー!?」

 隠れていたという気まずさは全くないのか、天然混じりの元気っぷりで毎回違うあだ名で自分を呼ぶ少女が大きく手を振る。
 相変わらず元気そうだ。

「やっほーねぇちゃん!! ひっさしぶりだってばよー! ねぇちゃんいないからシカが寂しがって寂しがって仕様がなかったって!!」
「そうそう。シカってばこないだも簡単な任務でへまするし、ナルトのお色気の術の時の髪を4つに縛り始めるし、挙句の果てには砂の方見て外で将棋を打ち始めるしさ」
「っちょ!! ちょっと待て!! ナルトにヒナタ! てめぇら人のことを何だと思ってやがる! ないことないこと言いやがって!!」
「シカマル〜無駄な抵抗はよそうよー。みんな知ってるんだよ〜? …こないだテマリさんの写真カンちゃんに回してもらってたでしょう」

 いつのも読めない笑顔で放たれた言葉は紛れもない真実。一瞬にしてシカマルの顔が青ざめる。

「なっ! …っちょ、チョウジ!」
「ああ。口止め料はテンテン手作りお菓子だったか?」
「シノ!」

 何故それを知っているんだと尚更青ざめるシカマル。
 それを尻目に大人2人が、やぁ、と片手を上げる。
 全くもって呆れた集団に、テマリもまた手を上げて応えた。
本当ちょっとだけっ(汗)