15の時、うずまきナルトと日向ヒナタが死んだ。
―――いや…里に…殺された。
九尾と、九尾に取り込まれた日向の女。
そういうことに、なった。
真実は上層部が彼らの力を恐れただけだ。
めきめきと力を伸ばすナルトを彼らは恐れた。
そして、ナルトが愛する人間が日向宗家の人間であることに、また恐れた。
その頃は、ヒナタも上忍なみの力をつけていたから。
彼女が日向当主になったら。
彼女がナルトと結婚したら。
そうなったら、里はナルトを認めるだろう。
けれど、上層部はそれを恐れた。
あれは九尾だ。
九尾を認める理由などない。
九尾をこれ以上生かしといていいはずがない。
5小隊分の暗部が、2人を襲った。
そして、2人は死んだ。
それを知って、2人の同期と、担当だった上忍らは、切れた。
シカマルを筆頭にして、名家の子供たちは重役へと地位を延ばした。
今、既にあの頃の上層部は居ない。
裏という裏から手を回して、悪事を調べ上げ、あるいはでっち上げ、失脚させた。
いのも、サスケも勿論関わっている。
ただ、2人の死、のみが知らされた日。 サスケといのは、ただ呆然と座っていた。
信じられるはずがなかった。 つい昨日まで、共に笑って話をしていたのだから。
多分、3日くらい、呆然としていた。
水しか、口にした記憶がない。
そんな中、いのが言った。
「ねぇ、性行為、しないー?」
サスケは、別に頷かなかった。 服を脱いだいのに、ただ欲情して、抱いた。
人を抱くという行為はこんなにも簡単だということを学んだ。
いのを好きだと思ったことはなかった。 日向ヒナタが好きだった。
けれども彼女は死んだ。 一時は憎みさえした友人も死んだ。
傷を付け合うためだけに互いを求めた。
頭を真っ白にして、行為の間だけは全てを忘れることが出来た。
3日くらい、そんな風に過ごして、いのの母親が現れたことで終わった。
いのの母親は2人の仲を知っていたようだが、精液と汗と、血と、そんな匂いがこびり付いた部屋で、何をするわけでもなく裸で目を開ける2人に絶句した。
無理矢理風呂に入れられて、部屋の掃除をして、ようやく人間らしさを取り戻した。
けれども、いのは立つことが出来なくて、声はがらがらで、サスケに至っては声が出なくなっていた。
専門医に連れて行かれて、1ヶ月ほど拘束されて入院して、点滴打たれて治療して、リハビリしてカウセリングしてようやく開放された。 他の下忍もなにやら似たり寄ったりだったらしく、親たちに大いに嘆かれた。担当上忍らには大いに怒鳴られた。
「あたし、復讐するからー」
「同じく」
そして、退院後のいのとサスケの第一声はこれだった。
ぽかんとした、退院仲間が、長い時をおいてこれに頷いた。
これが粛清の始まり。
2005年9月18日
話の都合上切り離された部分。
肉体的関係が始まった理由。
ナルトとヒナタが死んだ理由。
ほんと明るい部分なんて全くなくてuu
えらい淡々としているんですが、一応サスケ視点。