翼を求める者達。

 小さな羽根を持ちて、少しずつ少しずつ自由な空を求む。










「火影様」
「なんじゃ?シカマル、ナルト、それにサクラ」

 珍しくも3人揃って、火影の執務室に現れた彼らを、火影は温かな目で見つめる。

「オレの暗部名を黒羽。ナルトの暗部名を金羽。サクラの暗部名を桃羽。と、登録お願いします」
「ほう。ようやく決めたのか。して、その由来は?」
「"翼を求める―――"…と」

 火影は、ほう、とシカマルを見つめ、順にナルト、サクラへと視線を移す。

「よかろう。今からお主らを暗部第3班として登録する。それと、暗部班名称は"有翼"で文句はないかの?」









 さらりと、金の髪が風に流れた。


「黒羽、金羽、桃羽…そして"有翼"―――か。お前も翼を求めるか。―――なぁ。―――シカマル」


 ざぁ―――と、砂が舞い踊って、金の髪が消えた。

 …後はもう風が吹くばかり―――。














2005年9月18日